やまかわあらたさん(@arata_yamakama)が10月8日、スロパチ演者やスクープTV、パチ7などの演者が「自分は会社員なんで」と話すことについて、「労基法上、36協定とかバチこり超えてる気がする」「本人がいいから。とか通らなくない?」と投稿しました。
寺井一択さんやパチ7編集部のせせりくんも、過去にXで「会社員」と発言しています。そもそも36協定とは何なのか、演者の働き方に当てはまるのかを、厚生労働省の資料や労働基準法の条文をもとに整理しました。
ねぇねぇねぇねぇ
給料とかは知らんけどスロパチ演者とかスクープTVとか
パチ7とかの演者
全員か知らんけど自分は会社員なんでって言うやん?
あれ労基法上、36協定とか
バチこり超えてる気がするんだけど
本人がいいから。とか通らなくない?会社員なんでって
会社を刺しに行ってるよね?笑— やまかわあらた (@arata_yamakama) October 8, 2026
演者の「会社員」発言、どんな場面で出ていた?
スクープTVの演者として知られる寺井一択さんは、2026年4月27日、IQ3さん(@sukoyase)が寺井さんのプロフィールとして「2025年に独立し新たにYouTubeチャンネルを立ち上げた」と紹介した投稿に、本人が「まだ会社員やで」と返信しています(右が寺井さんの返信です)。
本名:寺井大智(てらいだいち)、1992年5月22日生まれ。出身地:兵庫県神戸市パチンコ情報サイト「スクープTV」所属ライターとして活動開始。 2025年に独立し新たにYouTubeチャンネルを立ち上げた。 #メンションせずに本人来たら負け
— IQ3 (@sukoyase) April 27, 2026
@sukoyase まだ会社員やで
— 寺井一択@爆裂最強限界突破TV (@terai_ScooP) April 27, 2026
9月30日には、寺井さん自身が2026年10月の予定を一覧にした画像を投稿しています。「爆裂」「スクープ」「他媒体」と色分けされた来店や収録などの予定が、空欄の6日を除いて月のほとんどの日に入っていました。ただ、画像からわかるのは予定の日付と場所だけで、1日に何時間拘束されるのかや、どんな契約で働いているのかまではわかりません。
https://t.co/PVbpTlmYBM
— 寺井一択@爆裂最強限界突破TV (@terai_ScooP) September 30, 2026
パチ7編集部のせせりくんも、2021年7月7日、ぱちぱちラビットさん(@UntitledJ12)から「今日は何してたんですか?!」と聞かれ、「会社員なんで普通に仕事ですよー」と返していました(右がせせりくんの返信です)。
@seseri_pachi7 せせりくん、今日は何してたんですか?!🤭
— ぱちぱちラビット (@UntitledJ12) July 7, 2021
@UntitledJ12 会社員なんで普通に仕事ですよー
— せせりくん@パチ7編集部 (@seseri_pachi7) July 7, 2021
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36協定で決まっている残業の上限
労働基準法では、働かせてよい時間は原則として1日8時間・週40時間までと決まっています(第32条)。これを超えて残業させたり、法定休日に働かせたりするには、会社と労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数代表)が書面で協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。これが労働基準法第36条にもとづく「36(サブロク)協定」です。
36協定を結んでも無制限に残業させられるわけではありません。2019年4月(中小企業は2020年4月)からは、残業の上限が法律で決まっています。
36協定の残業上限(一般的な業種の場合)
| 法定労働時間 | 1日8時間・1週40時間まで(休憩を除く) |
|---|---|
| 36協定がない場合 | 法定労働時間を超える残業や、法定休日の労働はさせられない |
| 残業の上限(原則) | 月45時間・年360時間 |
| 特別条項を結んだ場合の年間上限 | 時間外労働が年720時間以内 |
| 1か月の上限 | 時間外労働+休日労働で月100時間未満 |
| 複数月の平均 | 時間外労働+休日労働で2〜6か月の平均がいずれも80時間以内 |
| 月45時間を超えられる回数 | 年6か月まで |
| 違反したときの罰則 | 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(2025年6月より前は「懲役」) |
このうち「月100時間未満」「2〜6か月平均80時間以内」は、特別条項を使わない月も含めて1年を通して守らなければなりません。厚生労働省は、月80時間の残業は1日あたり4時間程度に相当すると説明しています。
やまかわさんの「本人がいいから。とか通らなくない?」という点については、労働基準法第13条で、法律の基準に達しない労働条件を定めた契約はその部分が無効になるとされています。さらに36協定は会社と労働者の過半数代表などが結ぶもので、個人が同意すれば上限を超えてよいという仕組みではありません。雇われている社員であれば、「本人がいいと言っているから」で上限を超えることはできません。
なお、労働時間は「使用者の指揮命令下に置かれている時間」とされています。会社の指示で準備や待機をしている時間も、労働時間に含まれることがあります。会社の外で働いていて労働時間を算定しにくい場合の「事業場外みなし労働時間制」や、対象業務が限られている「裁量労働制」といった仕組みもありますが、どちらも要件を満たしているときにしか使えません。
演者に36協定が当てはまるかは契約次第
やまかわさんの投稿には、和谷カヌレさん(@rsuhz)が「給与とか雇用形態 税務処理がどうなっとるのか」多くの人が気になっているかもしれないとしたうえで、会社を構成する一員という意味での「会社員」かもしれない、と返信しています。
@arata_yamakama このあたりの給与とか雇用形態 税務処理がどうなっとるのか 多くのユーザーが気になっとるかもすね 会社を構成する一員としての意味合いでの 「会社員」かもしれんので ええんやないですか
— 和谷カヌレ (@rsuhz) October 8, 2026
36協定や残業の上限が関係するのは、労働基準法上の「労働者」、つまり会社に使用されて賃金を払われている人だけです(第9条)。労働者に当たるかどうかは、会社の指揮監督を受けて働いているか、報酬がその労働の対価になっているか(使用従属性)で判断され、契約書の名前ではなく実際の働き方で決まります。厚生労働省は、芸能関係者向けにこの基準を具体化した判断基準もまとめています。
働き方ごとの36協定との関係
| 会社に雇われた社員(正社員・契約社員など) | 対象。会社は36協定を結び、上限の範囲内で働かせる必要がある |
|---|---|
| 管理監督者(経営者と一体的な立場の人) | 労働時間・休憩・休日の規定は対象外。ただし深夜(22時〜5時)の割増賃金と年次有給休暇は対象。役職名ではなく実態で判断される |
| 会社の役員(代表取締役など、業務執行権のある役員) | 原則として労働者ではないため対象外。ただし、肩書きが役員でも実態が従業員と同じなら労働者として扱われることがある |
| 業務委託・フリーランス | 契約上は対象外。ただし、実態として会社の指揮命令を受けて働いていれば、契約の名前にかかわらず労働者と判断されることがある |
日常会話の「会社員」は、雇われている社員だけでなく、自分で会社を作って役員になっている人まで含めて使われることがあります。和谷カヌレさんの返信もこの点を指摘したものです。寺井さんの「まだ会社員やで」も、どこかの会社に雇われているという意味なのか、それ以外の意味なのかは、投稿からはわかりません。
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演者に36協定が当てはまるかどうかは、それぞれが正社員として雇われているのか、役員なのか、業務委託なのか、そして実際に何時間働いているのかで変わります。外から見えるのは来店や動画の予定だけなので、「会社員と言っている=36協定を超えている」とは言い切れません。一方で、雇われている社員であれば「本人がいいから」では上限を超えられない、というやまかわさんの指摘は、法律の仕組みとしてはその通りです。
参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制」/厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」/e-Gov法令検索「労働基準法」/厚生労働省「労働者とは」/厚生労働省「管理監督者の範囲の適正化」/厚生労働省通達(令和6年9月30日、スタートアップ企業で働く者への労基法適用)/厚生労働省「労働時間の適正な把握のためのガイドライン」/厚生労働省「専門業務型裁量労働制」