2026年10月1日から、カスタマーハラスメントを防ぐための措置が全事業主に義務付けられました
企業規模や業種を問わないため、パチンコホールを運営する法人や店舗も対象です
一方、帝国データバンクが10月26日に公表した調査では、カスハラ対策に「特に取り組んでいない」と回答した企業が29.7%あり、義務化直前でも約3割が未着手でした
一次情報:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
調査資料:帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査」
業界媒体:Amusement Japan「カスハラ対策、企業の約3割が未着手」(2026年10月27日)
パチンコホールもカスハラ対策義務化の対象
厚生労働省によると、職場でのカスタマーハラスメントは次の3要素をすべて満たすものです
- 顧客、取引相手、施設利用者など事業に関係する人による言動
- 社会通念上許容される範囲を超えた言動
- 労働者の就業環境が害されるもの
通常の意見や正当な苦情まで一律にカスハラになるわけではなく、要求の内容、手段、頻度、従業員への影響などを踏まえて判断する必要があります
事業主に求められる主な措置は、方針の明確化と周知、相談体制の整備、発生後の迅速な事実確認と従業員への配慮、再発を抑える対応、相談者のプライバシー保護や不利益な取り扱いの禁止です
根拠になっているのは改正労働施策総合推進法で、厚生労働省は具体的な措置を示した「カスタマーハラスメント防止指針」と、企業向けの対策マニュアルも公開しています
同じ10月1日からは、就職活動中の学生など求職者へのセクシュアルハラスメント対策も全事業主の義務になりました
調査では小売業の31.1%が被害を経験
帝国データバンクの調査は2026年9月14日から30日に実施され、全国1万235社から有効回答を得ています
対象は全国2万2,095社で、回答率は46.3%、インターネットでの調査です
| 調査項目 | 割合 |
|---|---|
| 直近1年にカスハラや不当要求を受けた企業 | 15.3% (前回2024年6月は15.7%) |
| 被害は「ない」 | 67.2% |
| 「分からない」 | 17.5% |
| 何らかの対策を実施・予定 | 68.9% |
| 特に取り組んでいない | 29.7% |
出典:帝国データバンク「カスタマーハラスメントに関する企業の実態調査(2026年9月)」
被害を受けた企業の数字は前回からほとんど変わらず、被害が「ない」とした企業は1.8ポイント増えています
帝国データバンクは、カスハラという言葉が広まったことが問題行為の抑制につながりつつある可能性を挙げる一方、正当なクレームとの線引きに悩む企業も多かったとしています
取り組みの中身を見ると、方針づくりや周知は進んでいる一方、被害が出た後の対応はあまり進んでいません
| 取り組みの内容(実施・予定) | 割合 |
|---|---|
| 方針や対応ルールを従業員へ周知 | 37.8% |
| カスハラを容認しない企業方針の策定 | 28.6% |
| 相談・通報窓口を設置 | 27.2% |
| 相談者の秘密保持・不利益防止 | 18.0% |
| 事実関係の確認体制・手順の整備 | 18.0% |
| 再発防止策を実施・予定 | 8.1% |
| 顧客・取引先への方針の周知 | 6.8% |
| カスハラ対応部署・担当者の設置 | 6.5% |
出典:帝国データバンク
再発防止策は義務化された措置の一つですが、直近1年に被害を受けた企業に限っても18.3%にとどまりました
業界別では一般消費者と接する小売業の被害経験が31.1%で最も高くなりました
| 業界 | 被害を受けた企業 |
|---|---|
| 小売 | 31.1% |
| 金融 | 26.8% |
| 不動産 | 21.4% |
| サービス | 20.3% |
| 全体 | 15.3% |
| 卸売 | 12.6% |
| 製造 | 7.6% |
出典:帝国データバンク
上位には個人のお客さんを相手にする業界が並び、企業同士の取引が中心の製造や卸売は全体を下回っています
ただし、この調査はパチンコホールだけを対象にしたものではなく、ホール業界の被害率を示す数字ではありません
企業の規模別に見ると、大企業ほど被害を受けた割合が高く、対策も進んでいる結果でした
| 規模 | 被害を受けた企業 | 対策を実施・予定 | 相談・通報窓口を設置 |
|---|---|---|---|
| 大企業 | 23.9% | 82.6% | 51.7% |
| 中小企業 | 13.8% | 66.5% | 23.0% |
出典:帝国データバンク
中小企業のうち小規模企業の被害経験は12.3%で、取り組んでいない企業からは「どのように対応すべきか分からない」という声があり、「公的機関で相談窓口を作るなど支援をしてほしい」と求める小規模企業もありました
ホールでは苦情対応と従業員保護の線引きが重要
パチンコホールでは遊技結果、接客、抽選、設備、貸玉や貯玉などをめぐり、店舗と利用者が直接やり取りする場面があります
正当な申告を受け止める仕組みと、暴言や過度な要求から従業員を守る仕組みを分け、対応記録、責任者への引き継ぎ、相談窓口を明確にすることが重要になります
Amusement Japanも、再発防止策の実施・予定が8.1%にとどまった点を挙げ、方針や相談体制だけでなく、被害が出た後の対応まで含めて体制を確認する材料になるとしています
過去には、ホール店員へ釘に関する不満を直接伝える行為をめぐって店長の発言が話題になった事例もありました
-
-
パチンコ屋店長「釘の文句を店員に直接言うなんて時代錯誤も甚だしい、今の従業員はちょっと言われただけでカスハラ受けたくらい大袈裟で面倒だから…」
お疲れ様です。 アルバイトさんに言われてしまいました。 『入ってないとか、回らないとか僕たちが言われる筋合いないですよね ...
続きを見る
ICカードの扱いや台パンをめぐって、店とお客さんの間でトラブルになった話もあります
-
-
クァトロブーム富山田中店長、ICカードを曲げられたのかオコ「お客様に貸し出ししているモノに対する意図的な損壊ですので、器物損壊に該当する場合もございます。」
こういうのヤメて下さい。これ1枚10万円します(嘘) 特定したら貴方のこともこんな風に折り曲げます(*_*) ・・・冗談 ...
-
-
台パンする男性とトラブルになり店外で押された、とポスト!示談相談に反応が集まる
10月15日、ある一般アカウントが「これ俺が悪いですか??」という長文をXに投稿し、約117万回表示され、返信は約280 ...